釣りの素晴らしさと正しい知識を伝えていくために、『フィッシング・エコ・リーダー』制度が今秋からスタート!
河口湖、亀山ダム、琵琶湖でNBCジュニアワールドシリーズを開催しました。NBCがジュニアトーナメントを再開したのは、ただ単にバスフィッシングファンの底辺拡大だけではありません。釣りという健全な娯楽を通じて、子どもたちが自然のメカニズムや水性生物の生態を学習したり、自然界のルールやマナーを身体で覚えてほしいという青少年の健全育成がその根底にあります。私は3人の男の子を育て、皆さんもご存知の通りヒューマンフィッシングカレッジの校長を務めさせていただいております。また、JB・NBCの運営に携わってからは、常に私の周囲に若者が集まり、たくさんの方を指導してきました。真の教育者ではありませんのでそのほとんどが経営的な内容が多いのですが、その人の優れているところを見い出し、その部分を伸ばしてやるというのが私の基本的な教育理念です。
今年から私立の一部を除いて『学校完全5日制』が実施されました。文部科学省が推奨するところの“ゆとり教育”に私は賛成です。学力低下云々が問題視されておりますが、子どもたちが有意義な休日を過ごすことができればこの制度は大きくプラスに作用するでしょう。インターネットやコンピューターはこれからの、いや今の時代にも欠かせない必修事項ですが、私は学校完全5日制で増える自由な時間で大いに釣りを楽しんでもらいたいと考えています。魚の生態学に始まり、気象や水質などの釣りに関係するさまざまな情報の収集や分析、漁業調整規則や条例などに定められた規則(ルール)など、釣りには学ぶべきところがたくさんあり、子どもたちを成長させてくれるからです。また“好きだからこそ”高度な内容のことも覚えられるということもあるでしょう。そういう貴重な時間を設けられるということが“ゆとり教育”の狙いだと私は解釈しています。
ただ、釣りを通した学習を進めていくうえで、まだまだ正しい知識を子どもたちに伝えられる指導者が不足しています。特に専門的な有識者でなくても構いませんので、釣りに関係する分野全般にわたって指導できる方がおられましたらぜひご協力をいただきたくお願い致します。
なお、『釣りと教育』を結びつけていくうえで、NPO日本釣り環境保全連盟(JEF)では『フィッシング・エコ・リーダー』という釣り指導者のライセンスを設け、この資格を取得したリーダーを各地の講習会場に派遣していくという活動を今後行っていきます。各地の自治体や教育委員会からこれまでにも講師の派遣依頼がありましたが、今後『フィッシング・エコ・リーダー』制度を導入することにより、JEFが窓口となって教育関係者と話し合いの場を持ち、『釣りと教育』に関する活動を全国レベルで活発化させたく考えています。
『フィッシング・エコ・リーダー』の資格試験は今秋を予定しております。トーナメントアングラーにおいて魚をたくさん釣ることも大切ですが、釣りの楽しさや素晴らしさ、正しい知識を伝えることも大きな仕事だと思います。多くの方にこの資格試験にチャレンジしていただけることを願っています。
2002年5月 前の画面へ戻る