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エトセトラ

発展が期待される中国のバスフィッシングを視察

日本の釣り文化や釣り具の開発力は世界的に見てかなり高い水準にあると言われています。日本の「マンガ」や「オタク」文化が世界から注目されるように、日本の釣り文化もまた世界のフィッシングシーンに大きな影響を及ぼしています。

バスフィッシングはアメリカが発祥のゲームフィッシングですが、日本に根付いて数十年が経過し、JB・NBCも来年で創立30周年を迎えます。我が国で本格的なバストーナメントがスタートした80年代と現在を比較すれば、釣り人の数はもちろんのこと、本当にたくさんの釣り具メーカーが増えました。

精密なモノ作り技術を必要とする釣り具の開発は我が国が得意とするところで、製品競争力に優れたメーカーはどんどん海外へ進出しています。7月にフロリダで開催されたアメリカ最大のフィッシングショー「ICAST」にも日本の釣り具メーカーが多数出展していたと聞いております。

私は90年代の後半から近隣諸国の釣り振興、特にここ数年前からは中国に注目しています。2002年に日中友好釣りイベントを開催したころとは状況が大きく変わり、バストーナメントを主催する団体も設立されました。

7月16〜19日にバスフィッシングの振興に力を注いでいる中国湖南省を訪れました。地元の有力なテレビ局『湖南テレビ』が釣り場の整備やバスフィッシングのプロモーションを手がけ、日本の釣りメディア『釣りビジョン』を通じてJB・NBCに協力要請があり、今回の視察となりました。

中国のバスフィッシング人気は上昇しているとはいえ、まだそのファンの数は1,000人程度に達したばかり。バスがいる湖は4〜5つで、大きな管理釣り場といった方がいいかもしれません。ボートはゴムボートが主流で、ジョンボートやFRP艇が少しずつ増えてきている状況です。アメリカのFLWの協力を得てトーナメントも開催されましたが、まだ参加者は60人程度だと聞きました。

現在の中国のバスフィッシング事情は、バストーナメントに限るとJB・NBC設立当初のような感じを受けましたが、日本はトーナメントが始まるまでに既にブラックバスの生息する湖は全国に広がっていましたから、中国のバスフィールドの整備はまだまだこれからです。

ただ、ブラックバスの有用性が認められているため、閉鎖水域では放流許可が下りると聞きました。湖南省にはダムが多く、今後バスフィールドが整備されれば、レジャーとしてのバスフィッシング人気がさらに上昇し、大きなマーケットが誕生することになるでしょう。

日本国内のバスフィールドはこれ以上広がることはなく、少子高齢化問題も抱えております。バスフィッシングによる日中交流は今後5年、10年は日本の釣り業界にとっても重要になると今回の訪中で改めて感じました。

JB/NBC会長 山下茂

固定リンク  2012年08月22日(水)  

30周年記念特集:激動の30年とこれからの活動ビジョン

激動の30年とこれからの活動ビジョン

 

成長が期待される中国を中心としたアジアのゲームフィッシング市場。すべてが成熟した国内の釣り場環境。バスフィッシングを取り巻く環境は国内外で大きく異なります。

発展する近隣諸国へのサポート、そして持続安定性が求められる国内の活動はともに、これからの10年、『釣り場環境の整備』が最重要課題だと考えています。

来年、創立30周年という大きな節目の年を迎えるJB・NBC。今号では過去を振り返りながら、今後の活動ビジョンについて私の考えを紹介させていただきます。

JB日本バスプロ協会 会長 山下 茂

『日本でバスプロトーナメントを開催しよう』という話が持ち上がり、JBの前身となる組織が1983年に設立され、プロトーナメントを開催していました。生まれる前の出来事だというJB選手も多いでしょう。

しかし、創始者たちが思い描いていたようにバストーナメントの開催準備は進まず、バスフィッシングに関してまったく知識がない私がその協会を買い取り、1984年から運営を引き受けることになりました。

河口湖で本格的な賞金制トーナメントが開催されたのはその2年後の1985年でした。当時はまだブラックバスやバスフィッシングそのものが広く認知されていなかったため、一部のコアなアングラーたちの小さくて熱い世界でした。

この設立当初にバスフィッシング界の若きリーダーたちが集まり、「それまでの古い体質をかえたい」という強い思いと行動力がその後の日本のバスフィッシング界に大きな影響を与えたといえるでしょう。

80年代は決して順調な組織運営ではありませんでしたが、選手、メーカー、販売店ともに希望がみなぎっていたよき時代でした。私自身も組織の運営を任されたときはまだ河口湖の観光事業の一環と考えておりましたが、次第に若い釣り人を惹きつけるバスフィッシングへの期待が高まっていきました。

90年代に入ると、NBCチャプターが次々と設立され、全国でチャプタートーナメントが開催されるようになりました。全国的にバスフィッシングファンが急増したのは創立10周年を迎えたころで、「ブーム」や「バブル」という表現が当てはまるほどの過熱ぶりでした。

けれどその急激な成長を遂げたバスフィッシングの受け皿となる環境が整っていなかったため、さまざまな弊害が2000年代に入って押し寄せました。外来生物法の施行、琵琶湖や八郎潟をはじめとするリリース禁止問題、ワーム等による環境問題でバスフィッシングファンは減少し、業界も大きなダメージを受けました。

設立当初からのことを振り返ると、本当にさまざまな出来事がありました。試行錯誤を繰り返しながらの組織運営でしたが、スポンサーならびにNBC協力加盟店、トーナメント開催地の方々、そしてJB・NBCメンバーの支援と協力があったからこそ、JB・NBCトーナメントはこれまで継続することができたといえるでしょう。

そして10年代に入り、日本のバスフィッシングの現状は「安定期」に入りました。市場、釣り場ともに成熟期を迎えていることから、国内だけに目を向けると釣り場環境の維持管理が十分にできなければ、市場のゆるやかな縮小傾向は避けられないでしょう。

そして、海外に目を向ければまだまだ成長の余地が残されています。近隣諸国の中ではレジャー産業の成長が期待され、マーケットが大きい中国に私は注目しています。

中国のゲームフィッシング振興をサポート

JBはこれまでバスフィッシングを通じて諸外国と交流してきました。設立当初はアメリカへの選手派遣、97年からの4年間は韓国にてJBプロトーナメントシリーズを開催し、この2カ国からは多くの選手が来日して国内のトーナメントに参戦しました。

ここ数年は国際交流を行っていませんが、私自身は富士河口湖町の観光PR等で中国へ出張する機会が増えました。経済発展と同じく釣りの環境も驚くほどのスピードで移り変わり、マーケットは広がりを見せています。

日中国交正常化30周年の年(02年)に釣りを通じた友好イベントを両国で行いましたが、この当時の中国はブラックバスが食用として養殖され、ルアーフィッシングを楽しむ方自体がごく希でした。

しかし、この数年でバスフィッシング人口は1,000人程度まで増え、まだゴムボートが主流ですが、小型ジョンボートやFRP艇も少しずつ普及し始めました。

今後、日本のバスフィッシング技術やトーナメント運営のノウハウを中国に持ち込み、バスフィッシングの振興をサポートすることは両国に大きなメリットがあると考えています。バスフィッシングを楽しむフィールドが増えればまだまだ愛好者は増えるでしょうし、クォリティーの高い日本のタックル類を売り込むチャンスにもなります。中国市場は我が国の経済にも大きな影響を及ぼしておりますが、釣り具業界も例外ではありません。中国にはフナやコイを対象魚とした釣り愛好者がたくさんおられ、内陸部が広大なことからブラックバスは貴重なゲームフィッシュになりうると現地メディアからも注目されています。

そして、バスフィッシングを通じた日中友好のプロジェクトは第一歩を踏み出そうとしています。大手テレビ局『湖南テレビ』から中国のバスフィールドの整備や活用、釣り人の交流のサポートについて、釣りビジョンを通じてJBに協力要請がありました。

「テレビ局?」と思われた方も多いでしょうが、中国全土の釣りレジャー開発にかかわるすべての事業の取り扱いを中国国家体育局から任命されたのが湖南テレビです。

実は7月中旬に現地へ視察に訪れ、先日帰国したばかりです。具体案がまとまれば報告させていただきますが、この湖南テレビが手がけるプロジェクトにJB・NBCと釣りビジョンが協力することになりました。

日本でもバストーナメントの普及がバスフィッシングの振興に大きく役立ったので、中国でもJB・NBCがサポートすることでしっかりとしたトーナメント開催システムが早期に確立されることを期待しています。

また、釣り具の物流だけではなく、釣り人の交流にも期待しています。昨年は大震災で中国からの観光客は減少しましたが、今年に入ってその数は急増しています。日本にも素晴らしいバスフィールドがありますので、中国でも熱狂的なバスファンが育てば来日する方も増えるでしょう。中国のフィールドが整備されれば日本からも遠征ツアーが組まれることでしょう。

私は釣り人の日中友好はこの先何年も続くと考えています。だから若い方には積極的に中国へ足を運んでいただけることを望んでいます。

今回の湖南テレビとのプロジェクトが進めば、まずはヒューマンフィッシングカレッジの学生たちの中国研修ツアーを組み(11月予定)、中国のトーナメントアングラーを日本のJBプロトーナメントに招きたいと考えています。

中国とのバスフィッシング交流はJB・NBCだけでなく、日本の釣り業界にとってとても重要になると確信しています。

釣り場環境の維持管理がKEYを握る国内市場

冒頭で述べたように成熟した日本のバスフィッシングを活性化させることは難しく、国内では釣り場環境の維持管理に取り組むべきだと考えています。

その活動の柱となるのがJB・NBC創立30周年記念の事業として立ち上げる『Feco基金』です。JB・NBCトーナメントに出場されている方ならご存知のFecoシールの収益金の一部を使用して設立する基金です。

環境対応型釣り具(エコタックル)の開発技術向上と、その普及を目指し、02年に『Feco認定制度』がスタートしてからちょうど10年が経過しました。釣り人にも、釣り具生産者にも負担がかかるこの制度ですが、少しずつ釣り具業界や釣り人からもその趣旨が理解され、知名度が高まっています。認定品のアイテム数、生産者数も年を追うごとに増加していることから、この基金を有効に活用して釣り場の環境整備を目的に活動している方々を支援していきたく考えています。

同基金の使途は『釣りの発展につながる活動』への助成金です。広い意味で環境保全ということになるのでしょうが、釣り初心者の育成事業、必要とされるスロープや桟橋等の釣り場設備、水辺環境の調査・研究など、釣りの発展に関連するさまざまな活動に使える基金を目指しています。活動の規模は問わず、草の根的な運動でもその活動内容が評価されれば助成金は受けられます。

そして、この助成金制度の特徴は、使途が『Feco基金メンバー』の個々の意思が反映されるという点です。『Feco基金メンバー』とはFecoシール購入者(釣り具メーカー)です。同メンバーが実施している活動や、推薦する活動が助成の対象となります。

助成金の交付は2014年からスタートし、前年(2013年)のFecoシール購入代金の10%が助成金に割り当てられます。一連の流れは次のようになります。

  1. Fecoメンバーは各地域のFeco基金審査会に助成金の申請を行う(活動内容と助成金の使途を明確にする)。
  2. 地域のFeco基金審査会にて活動内容を審査し、Feco基金(本部)へ報告。
  3. 審査を通過した活動を実施する団体に助成金を送金。
  4. 助成金を受け取った団体はFeco基金に活動報告を提出。

※『Feco基金審査会』は各地域のNBCチャプターブロック長がその地域の審査委員長を務め、NPO法人日本釣り環境保全連盟から任命された「フィッシング・エコ・リーダー」、同連盟理事、Fecoメンバーにより構成されます。

Feco基金は政府の関連団体や財団が手がけている基金や助成金制度と比較するとかなり小規模ですが、釣り界の将来のために役立つ基金に育ってくれることを願っています。

また、Feco基金を通じて、釣り界を影で支えているさまざまな活動を広く釣り人に紹介していきたく考えています。お金の援助だけではなく、その活動に対して協力者を増やしていくためにもPR活動を重要視しています。

エコタックルを使うことが環境への負荷を軽減することにつながり、さらにFeco基金により釣り場環境の整備を行っていきます。

日本は今、構造的な不況に直面し、少子高齢化が続く数十年は好景気が訪れないかもしれません。釣り業界もまた例にもれず国内マーケットは厳しい状況下にあります。

JB・NBCは設立当初から今日まで、スポンサーの多大な協力を得て活動してきました。これからの10年はある意味、JB・NBCが踏ん張らなければならない時期であり、バスフィッシングの将来に向けてとても大切な期間になるでしょう。

■国際フィッシングショー会場で30周年記念イベント!

創立30周年記念イベントは業界の方々、多くの釣りファンが一堂に会する国際フィッシングショー会場にブースを出展し行うことにしました。これまでのようにホテルでの記念パーティーや特別な大会は考えておりません。それらの予算をすべてフィッシングショーの出店費用に回した方が釣り界、業界のために少しでもプラスになると思いますし、JBプロの皆さんには大いにJB・NBCブースを盛り上げていただきたく、よろしくお願い致します。

以上がJB・NBC創立30周年以降の、私の中にある中長期のビジョンです。華々しい記念トーナメントを期待していた選手には少しがっかりさせる報告だったかもしれませんが、バスフィッシングが置かれている現在の状況を鑑み、将来につながる活動に取り組みたく、今後の活動にご理解いただければ幸いです。

Sustainability〜釣り場環境の「持続可能性」を高めるために〜

環境保全活動や水産資源関連のリポートに「サステナビリティー」という言葉がよく使われるようになりました。その意味は「持続可能性」です。

動植物の採取や捕獲後に再生産性があるのかどうかというときなどに使われます。

日本は水産資源に恵まれ、たくさんの釣りジャンルがある釣り大国です。しかし、その大切な釣り場環境もまた乱獲や水質汚染などでダメージを受け、「サステナビリティー」が問われています。

釣り業界の中には新しいジャンルの釣りを模索し、ブームを起こそうという動きも見られます。それはとても画期的な試みかもしれませんが、釣り場環境が変わらなければ限界があるでしょう。また、釣りの技術や釣り具の性能の向上は乱獲に繋がる恐れもあります。

 

バスフィッシングをはじめ日本の釣り全体が成熟期を迎えています。やはりこの先、日本の釣り界はその関連ビジネスも含めて、いつまでも釣りを楽しむために環境の維持に努めていくべきだとエコタックル普及協議会では考えています。

そこで問われるのが「釣り場環境のケアを誰が行い、誰がその費用を負担するのか」ということです。釣りをする行為は少なからず環境へダメージを与えています。その観点から言えば、釣りを通じた受益者負担が原則です。釣りを通じて「喜び」を得る釣り人、釣り具を製造・販売して利益を得る釣り具業界が取り組まなければ、いつまでも釣りを楽しめるフィールドを守っていけないでしょう。

エコタックル普及協議会は、釣り場環境のサステナビリティーを高めるために『Feco基金』を設立しました。

まとめ:バスマガジン

写真で見る30年

●1985年に来日し、日本のバスファンを熱狂させたローランドマーチン。

●JBTA初代アングラーオブザイヤー(1986年)は今も現役、泉 和摩。

●1986年、琵琶湖初のプロトーナメントを制したのは菊元俊文。

●今江克隆VS沢村幸弘。今も語り継がれる入鹿池のマッチプレー。

●89〜90年、92年の「A.O.Y」今江克隆。この時代、琵琶湖では無敵だった。

●JB・NBC10周年イベントが開催された1994年はゲーリーファミリーが大活躍。
JBジャパンプロトーナメントを制した並木敏成がA.O.Y、10周年記念クラシックは沢村幸弘がウイナーに。

●日韓親善ブラックバス大会。

●JB・NBC15周年記念として2000年にレイクミードで開催されたJBワールドシリーズ。ウイナーは清水盛三。

●1997年からスタートしたJBワールドシリーズ初年度開幕戦(生野銀山湖)。

●2002年、日中国交正常化30周年の年に日中友好イベントを開催。

●2003年からNBCエコタックルトーナメント始動。

●NPO法人 日本釣り環境保全連盟の「釣り体験イベント」に協力。

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